下手ノ横好キ

好きな事を好きなだけ。

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2036*08*13 Wed
12:31

―『S-N-S』目次―

はじめに


第一章

「虹」―1

「虹」―2

「虹」あとがき
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2011*08*13 Sat
12:54

「虹」あとがき

はい。いちぢくです。

ネタバレ含むかもなので、追記にてー *

2011*08*13 Sat
12:30

「虹」―2

 気が付けば私は店を飛び出していた。
 まだ雨が降っている道をひたすら。ひたすら。ただひたすら走った。
 私はきっと普通の女の子に憧れていたんだと思う。恋をする普通の女の子に憧れていたんだ。
 けど、私は普通じゃない。恋なんてする資格なんて無かったんだ。
――やっぱり私は独りなんだ。


 気が付くと私は橋の下で泣いていた。
 周りは雨が降っており、中は暗く誰もいない孤独な空間。
(まるで私の心みたいだな……)
 これからもずっとこうなんだろう。
 太陽の出ない夜のようにずっと晴れる事は無いのだろう。
 何故だろう。前の状態に戻っただけなのに、どうしてこんなにも……
――悲しいんだろう。
 一度、太陽の暖かさを知ってしまったから。貴方の暖かさに触れてしまったから。
 孤独の冷たさも知ってしまったんだ。
 こんな気持ちになるなら、貴方と出会わなければ良かった。
――私は。独りだ。
(もう……帰ろう。)
 そう思って顔を上げた時だった。
「あ……やっぱり……此処に居た……。」
 どうして……
「急に飛び出すからびっくりしたよ……。」
 彼がいるんだろう……
「どうして場所が……?」
「あぁ……俺もよく此処で泣いてたから。」
 ……え?
「昔、いじめられてたんだよ。俺。」
 貴方が?
「あの時はどこにも居場所が無くてね。よくこの橋の下に来てたんだよ。」
 もしかして……
「もちろん誰にも相手にされなかった。俺は一人で生きていくんだって思ってた。」
 この人は……
「でもやっぱり一人ってのは辛かったんだよな。だから人との繋がりを求めてあのサイトに書き込みをしたんだ。」
 私と同じなんだ。
「それって……」
「そう。君と同じだったんだよ、俺は。だから君を放ってはおけなかった。同じ苦しみを味わっている君を助けたかった。そして変えてやりたかった。」
「……こんな私でも、変われるんですか?」
 そんな疑問に彼は、
「変われるじゃない。もう変わり始めてるんだよ。あのサイトに書き込みをした時から君は変わり始めてるよ。」
 いったい何が……
「何が変わったんですか?」
「……もう、独りじゃないでしょ?」
 あぁ……そうか。
「俺の他にも君を見てくれてる人がきっといるよ。俺がそうだった。後は君が勇気を出して話しかけるだけだよ。」
 話しかける勇気……
「私に出来ますか……?」
「出来るよ。もう一度言うよ?」
 そして彼は私の目を見て、はっきりと。
「君は。変わったんだ。」
 彼は嘘をつかない。私は変わったんたんだろう。変わったんだ。
 いつの間にか空は晴れていた。清々しいほどに青い。青い空だ。
 そしてそんな美しい空には。

 虹が。虹が。 *

2011*08*13 Sat
11:43

「虹」―1


「いやー急に雨が降ってきたね。まぁ俺としては君とゆっくり話したかったからいいんだけどね?」
 彼はモンブランを頬張りながら私に向かって微笑んだ。それに対し、私は……
「そうですね……」
 と、素っ気無い返事しか出来なかった。
 理由は簡単だ。私は男の人と二人で外出するという事が初めてだからだ。しかもその人の顔を見るのは初めてで、本名も知らない。そんな状況で人見知りの私が落ち着けるはずがない。正直、今食べている苺のショートケーキの味も分からないほどだ。
 私がケーキをほとんど食べていないのを気にしてか、彼は、
「どうしたの?緊張してる?」
 それに対し私は。
「いえ、大丈夫です。」
 嘘をついた。
 そもそも何故彼と会う事になったのか。


 私は友達がいない。
 当然だ。私は人見知りで大人しく、話しかけられても素っ気無い返事しかできない。そんな私に人が寄ってくるはずもない。
 もちろん学校では居場所がない。昼ご飯は一人で食べ、休み時間は本を読むか、校内を散歩しているか、机に突っ伏して寝ている。
――私は独りで生きていく。
 そう思うと同時に人との繋がりが欲しかった。人が恋しかったのだ。
 それでも面と向かって話す事は出来ない。そこで私はネットで友人を探す事に決めた。
(こんなダメな私でも話をしてくれる人がきっといるだろう。)
 そう思い、私は「とあるサイト」に書き込みをした。そこで話しかけてきたのが、今私の目の前でモンブランを美味しそうに食べている彼である。


 彼は私の話を真摯に聞いてくれた。
 ずっと。ずっと私のつまらないであろう話を聞いてくれたのだ。
 それに対し彼の話はとても面白かった。
 この人は私と違って人生を楽しんでるんだろうなぁと思った。きっと友達も多く、楽しい毎日を送っているんでろう。どうして私なんかを相手にしているか不思議なほどだ。
 そして彼と交流していく内に尊敬の念ともう一つ別の感情が生まれていた。
 それは今食べている苺のショートケーキの様な物だ。
 柔らかいスポンジケーキと優しい生クリームの味と。そして甘酸っぱい苺が一つになった様な。そんな感情。
――これはきっと恋だ。
 私はそう思った。私は恋をした事が無いから正しくは違うのかもしれないが。
 彼と話をする度にその感情がどんどんと高まってきた。
 そんな時だ。彼が、
「一度、会ってみない?」
 と、言い出したのは。
 私はひどく迷った。
 彼に会ってみたい気持ちはあるが、彼と面と向かって緊張せずに話せるか?私と一緒に居て彼は楽しいのだろうか?
 そんな事が頭をよぎった。しかし、そんな事よりも重大な問題があった。
「この感情を隠し通せるか。」
 これはとても重要だ。
 この感情を出してしまえば、もう今の関係には戻れない。それが恐かった。
(このままの関係で居たい……)
 そう思った私は誘いを断ったのだが……
 彼の熱心な誘いにより今に至る。
「でさ!~が~~なんだけど……ねぇ?聞いてる?大丈夫?」
 以上。私の回想終了である。
「あ、はい。大丈夫です。聞いてます。」
 嘘をついた。
「そっか。俺の話が面白くないから聞き流してたんだと思ってたよー」
 ごめんなさい。聞いてませんでした。
「そろそろ俺が話するんじゃなくて、君の話が聞きたいな。俺に対する質問とかでもいいからさ。」
 ふむ。それなら疑問をぶつけてみよう。
「……あの。貴方は私と居て楽しいですか?私、ほとんど喋らないし、無愛想だし。こんな私と居て楽しいですか?」
「うーん。楽しいっていうか、君といると落ち着くんだよね。雰囲気なのかな。落ち着いてて安らぐんだよ。」
 これは本心だろう。彼はいつも正直に物を言う。正直すぎるくらいだ。そんな彼だからこそ、私は彼に惹かれたんだろう。
 そう思うと同時に彼が私をどう思っているかが知りたくなってきた。しかし彼は正直だ。好きでなければ好きでないと言うし、嫌いであれば嫌いと言うだろう。
「……私の事、どう思ってます……か?」
 拒否される事を恐いと思いつつも勇気を出し、聞いてみた。
「ん?そうだなー。君といるとなんか安心できるし、好きだよ。」
 と、彼は間もなく言った。
――満面の笑みとともに。
 あぁ。ダメだ。こんな笑顔を見せられたら……
 隠したいのに……
「私……」
――ダメだ。
「貴方の事が……」
――この関係が。
「……好きなんです。」
――壊れる。
「……ごめんね?」
 あぁ。やっぱりか。
「君の事は好きだけど……」
 私が言ってしまったから。
「そういう風には……」
 もう、戻れない。
「思えない。」 *


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